つうと与ひょう
夕鶴というお話をご存じだろうか?
つうと与ひょうの関係。
つうの立場にいる側の人
与ひょうの立場にいる側の人
そんな事を最近思うのです。
搾取する側・される側の人間
与ひょうは人間で世間一般の
(彼を取り巻く人)世情というものに
振り回されやすく、染まりやすい。
つうは人間ではない。身を
削ってまで、その人の為に尽くそうと
する。最後は命からがら逃げだすのだが
その後のつうは描かれていない。
与ひょうは後悔するが、もう遅い。
そんな人間関係が多くありはしないだろうか?
仮につうをずっと大切にしてくれるような
与ひょうであったなら互いに幸せであろう。
つうも与ひょうも表裏一体なのだ。
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昔話「鶴の恩返し」
お人良しな、与ひょうの家に昔助けた鶴が人に
化けて「つう」と名乗り、嫁にくる。
つうが嫁になって機織りで織った織物は高値で
売れて、欲深な与ひょうの連れに段々染められて
人間の悪い所が出てくる。
「うるさい!機織りで織物をつくれ!」
最後は与ひょうがつうとの「機織りを織って
いる姿は見ないで」という約束まで破っしまう。
残り少ない自らの羽を毟りとって機織りを
している鶴の姿を見られたつうは、
命からがら与ひょうの元を去る。